EPISODE 02 in 2009年10月

お客様と真摯に向き合う先に。
1つのお取引がつなぐ「丸三ストリート」。

どれだけ好条件の土地や建物であっても、人と人の信頼関係なくしてはご満足いただける結果にはなりません。
そのことに改めて気づかせてくれたのは、丸三と長年お取引のある企業にお勤めの方からの相談でした。

「定年退職をした後は、地方に移住することにしました。そのためにも、今の家を売りに出しているのですが……」

相談に来たのは、地元の企業に長年勤務し、丸三との取引の担当をされていた方。
これまで、社宅や駐車場など、その会社で必要になる土地や建物の契約でのお付き合いはありましたが、個人としてのご依頼は初めてでした。

すでに販売も開始しているようですが、何やら困ったご様子です。

「実は他の不動産屋に依頼して販売しているのですが、1年経った今でも買い手がつかなくて。丸三さんに、そういったこともお願いできませんか?」

「買い手がつかなければ、なかなか移住もできませんよね。わかりました。お任せください!」

ご依頼いただいた土地は、有名な高級住宅地の1区画。当時でも人気のエリアでした。
それでも買い手が見つからない原因を調査して、改めてご提案することになったのです。

「率直に申し上げると、現在の販売価格では買い手はつかないと思います」

「でも、この価格で売れると言われたから今の会社にお願いしたのに……」

実際に金額だけをみれば、相場からは大きなズレはありませんでした。
しかし、同じ価格帯で駅近くの新築が視野に入るほどの高級住宅地。
時代の流れや築年数なども加味して、大幅な値下げをご提案します。

「わかりました。売れないことには移住もできません。その金額でお願いします」

するとそれから約1ヶ月で、無事に買い手が見つかったのです。

「和田さん、ありがとうございます! これで安心して引っ越すことができます」

「もしこちらに戻ってくることがあれば、またお手伝いさせてくださいね」

「そういえば、隣の家の方も売れずに困っているみたいでした。なので、丸三さんを紹介しておきましたから」

実はこの方の住まいの両隣も同じタイミングで売りに出していたのです。

実際にその後、隣人の方が丸三を訪ねてきました。

「我が家もなかなか買い手が見つからず困っていて。実は、すでに1度、会社を変えてみたのですが、それでも1年以上、売れずにいます。お隣さんが丸三さんで売却を成功されたと聞いて、紹介してもらったんです。
今度は私たちの売却もお手伝いしてもらえませんか?」

この方は、最初にご依頼いただいた方の左隣に土地と建物をお待ちでした。
家の売却が済んだら、実家のある地方に帰るつもりだったようですが、それもなかなか実行に移せずにいたのです。

しかし、丸三が売却担当しはじめてから数カ月後には見事に売買が成立。
無事に地方への引越しも終え、隣同士2軒の土地のお取引が完了したのです。

さらにその数年後、右隣の方からもご相談をいただくことになります。

「以前、隣の家の方から『地元の丸三さんが販売してくれた』と聞いたのですが……」

こちらの方は、持ち主のご子息の方。
すでに兄弟全員が独立されていることもあり、実家であるこの家を売却することになったのです。

これまでの2軒の成功事例を活かし、こちらのお宅も販売開始から数ヶ月の間に売買が成立。
新たな生活に向けてのお手伝いをすることができました。
結果的には、なんと3軒並んでのお取引が成功することになります。

最初にご依頼をいただいた方とは、丸三の現会長の代からのお付き合いです。
数十年の間、地元・三ツ境で多くの方とお仕事をしてきた姿を認めていただいたからこそ、お声がけいただいたのかもしれません。

移住される少し前。その方が言っていたことが、少しずつ現実になっています。

「このまま紹介がつながっていくと、あの通りは丸三ストリートになりますね。がんばってください!」

土地や建物の取引であったとしても、その背景にはお客様、つまり必ず人が存在します。
だからこそ、どんな案件であっても、真摯に、実直に、向かい合わなければならないのです。
その積み重ねが、大切なご縁を運んでくれると信じて。